Internet Explorer11はサポートされていません。
恐れ入りますがGoogle ChromeMicrosoft Edge等の最新ブラウザからご覧ください。
すでにMicrosoft Edgeをお持ちの方はEdgeでご覧ください

04 お知らせ

04
お知らせ

TOP / お知らせ / ディレクター・中嶋えい子の想い
ブログ
ディレクター・中嶋えい子の想い

私、中嶋えい子は60代後半を迎え、これから先の残された人生を思う時、限りある時間の中で私は生きているのだと、それは長いスパンで物事を考えられるほどの余裕はもう残されていないことを意味しているのだとつくづく思い知らされました。
これからの自分の時間をどう生きれば後悔せず、満たされるのかと自問自答した時、
長い間心の奥底に絶えず居続けて、くすぶり続けていた想いを、実現し形にしなければ、必ず後悔するだろうと思いました。
そして、今なら有効に使えば時間もまだある、体力も気力も持続できる、今始めればまだ充分時間は残されている、それが今この時であり、すぐに立ち上がらなければ機を逃してしまうとの思いが私の背中を押しました。
これがVia motifを世に出したいという私の思いです。
これから先の残された時間をイメージしながら、この先は私らしい表現方法で、これまでに経験してきたことを活かし、繋げ、広く伝えていきたいと思います。
必ず、私の思い描く世界を実現するために、挑み続けていきます。

私の生きてきた昭和はアナログの時代でした。
昭和30年代、高度成長期に向かって活気のある時代でした。人と人との距離も近く、肌で感じる繋がりも温かいものでした。
自分が動かなければ求めるものは手に入らず、人とも会いに行かなければ出会えませんでした。
それが当たり前の時代であったし、不便に思うこともありませんでした。
それでも、どこか現代とは違う、ゆったりとした豊かな時間が流れていたように思います。
人の気持ちもおおらかでゆとりがあったのではないでしょうか。
そんな私を育んでくれた時代に想いを馳せつつ、現代を私なりの視点で視ていきたいと思います。
今、時代は目まぐるしく変わり、何事にもスピードが重要視され、さらに加速している時代です。
便利なものが次々と開発され、世の中に送り出されていきます。
自分が動かずとも世界中の人とつながり、情報を手に入れることができ、どこへでも行ける時代です。
しかし、便利さを追求するあまり、絶えず何かに追われ、余裕がなく、人との繋がりが希薄になり、人の心が置き去りになっているように思います。
少し立ち止まればまた違った世界が見えるのに、と思うことがあります。

歌の中に「僕たちの国は残念だけれど、何か大切な処で道を間違えたようですね」との歌詞があります。この歌詞の解釈は人それぞれの思いで違ってきますが、私にはそれは、人の心だと思えます。
昔も今も変わらないもの、そしてこれからも決して変わることがないものは、人の心だと私は思います。
人が求め続けてきたものは、お互いの温かい心の交流と信頼ではないでしょうか。それがあるからこそ、強くも優しくもなれ、人を慈しみしっかりと生きていけるのだと思います。
どんなに世の中が進歩しようとも、決して変わってはいけないものがあります。人類の歴史を辿れば、それが何を指しているのかがわかると思います。

今、ものづくりの世界も生きづらい時代です。利益追求を優先させた結果、自国のものづくりを疎かにし、人が育たず職人の高齢化が進んでいるのが現状です。人が長い年月をかけて技術を継承し、作り上げてきた伝統工芸も例外ではありません。継承していきたくても、経済的な問題は大きく影響してきます。
諦めざるを得ない人もいます。途絶えたら、二度と復活できない技術がたくさんあります。
そんな中でも今、一度途絶えてしまったものをもう一度復活させたいと、保存会を作って継承していこうという動きが各地で広がっています。
とはいえ、復活させた後それをどのように世の中に発信させ、技術継承にかかる費用を捻出し、利益を生んでいくのかという、大きな課題が残されます。

ものづくりに携わる若いクリエイターも同じです。
「自分の感性を形にして、その世界観を見てもらいたい」そのきらきらとした思いだけを頼りに、ものづくりの道に入って作品を作っています。
作家である自分の人間性を通して形にした作品を評価してもらうには、コツコツと積み上げていく地道な道のりを歩いていかなければならないのです。
辛抱して歩いていくしかない。諦めたらそこで終わります。
経済的にかなり厳しい状況の中でやっていくしかなく、せっかく素晴らしい感性をもっていても諦めて、違う道を選ぶ人も多くいます。協力してくれる人がいない限り、乗り越えていくのはかなり厳しいというのが現状だと思います。
私はこれまで、そんな人達を沢山見てきました。今も私の周りにいます。
その人達の切なる声も聴いてきました、忘れることなく私の心に残り続けてきています。
私のVia motifもそうです。

私は自分では作ることができません。私の思いを伝えて、誰かに形にしてもらうしかないのです。
初期、私の思い通りのものを作ってもらおうとしたとき、造り手との間で意思の疎通がうまくいかず、妥協しなければならなくなり、納得するものが出来ないジレンマに陥る。結果、挫折し、動きを止め、頓挫してしまいました。
その後、私の思いをそのまま形にしてくれる作り手を探しながら、長い間ブランクが空いてしまいました。
そんな状況の中で学ぶこともありました。
人の手を借りなければ出来ないものづくりが、いかに難しいかということです。
私の思いを理解し、信頼でき、ともにブランドを育ててくれる作り手と、協力してくれる人の重要性です。
それをどうクリアするかを考えあぐねて動きが止まっている間も、Via motifへの思いはずっと、心の奥底でふつふつと火山のマグマのようにうごめいていました。
そうするうちに60代後半になり、これからの残された人生を考えた時、「今立ち上がらなければ!」と強い思いがわいてきました。それまでくすぶり続けていた想いが一気に噴火し、真っ赤なマグマがまさに今、吹き出してきている状況にいます。
そして私が本当にやりたいことは何かということを考えた時、明確な目標が2つに決まりました。
1つは、Via motifのブランドでしか作れない作品を確立させ、世に送り出すこと。そして長く母から娘・娘から孫へと世代を超えて引き継がれていく作品であること。
2つめは、Via motifを通して、今自分のものづくりに真摯に取り組んでいる人たちが作っている作品を、いかにVia motifに落とし込んでいきお互いのこだわりを大事にして企画を練り上げて、今までにないコラボ作品を作り上げていくか。
そしてそれをどう広く発信していくか、多くの人にこだわりを伝えて、見てもらえる場所を作っていくかということ。
いろんな分野の方の知恵を借り、協力をお願いしながら繋がりを広めていきたいと思っています。
最終目標は、ものづくりに携わっている人たちが、楽しんで作品を作り、利益を得ることができるようになることです。
一人では無理でも、チームを組めば可能性は広がります。
ご縁を頂いたことに感謝して、共にものづくりに携われることを喜び、お互いを活かせる唯一無二の作品作りをみんなで楽しみ、利益に繋げていく道を築いていきたいと思っています。

Via motifには「SPICE OF LIFE〜人生にスパイスを〜」というブランド理念を掲げております。私が今伝えたい「モノ」や「コト」を、このブランドを通して発信し、そして一人でも多くの方に、スパイスを体感いただければ、これほど嬉しいことはございません。
これからも変わることはないであろう人と人との心の交流を、世代を超え、今をともに生きる皆さまと分かち合えたらと思います。
ぜひとも皆さまの感性豊かなご提案を頂きながら、ご一緒にこれからの時間を大切にしていけるブランドでありたいと願います。

 

Via motif   中嶋 えい子